アゴニストとアンタゴニスト

目次

みなさんがよく使う薬がどのような作用で効いているか知っていますか?

大抵の薬は、アゴニスト(Agonist)とアンタゴニスト(Antagonist)という作用に分けられます(今ではさまざまな特殊な作用をもつ薬もありますが、ここでは省略します)。

アゴニスト

アゴニストは日本語訳では「作動薬」といいます。体の中では、ある伝達物質が「受容体」といわれる部分にくっつくことによって、情報のやりとりをして、いろいろな体の反応が起こります。アゴニストは、体から出る伝達物質に代わって、強力に受容体に結合することで、薬の効果を表すものを言います。

アンタゴニスト

一方で、アンタゴニストは、拮抗薬といいます。アゴニストに対して、anti (アンチ)+ agonistという、「アンチ」なアゴニスト、つまりアゴニストに反対・拮抗する作用を持つものを言います。

アゴニストとアンタゴニストの違い

下の図のように、アゴニストが受容体に結合すると、ここでは細胞の活性化という反応が起こりますが、アンタゴニストが先についてしまうと、アゴニストや体からでる物質もくっつけなくなり、細胞が活性化しません。

一例を挙げますと、花粉症で使う抗アレルギー薬などはアンタゴニストに含まれます。薬の種類としては抗ヒスタミン薬といいます。ヒスタミンは粘膜を腫らしたり、鼻水を出したりする作用があります。抗ヒスタミン薬は、そのヒスタミンの作用をブロックすることで、花粉症の症状を抑えます。

アゴニストとアンタゴニストのどちらもある薬もあります。脳の中のドパミンのアゴニストはパーキンソン病の動きをよくする作用をもちますが、精神症状が出やすくなります。一方でドパミンのアンタゴニストは統合失調症などの幻覚・妄想などの精神症状を抑え、逆に副作用として動きが悪くなります。

部分的アゴニスト/アンタゴニスト

この副作用を緩和するために、部分的アゴニストや部分的アンタゴニストというものも開発されており、100%刺激や100%抑制というものではなく、60%ぐらい刺激みたいな薬のことです。

まとめ

  • アゴニストは刺激薬
  • アンタゴニストは拮抗薬

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です